見出し画像

セールスフォース在籍10年以上の経験で、コミュニティ支援に貢献/カムスタ!キーマンのワケ:Asobica・古澤昌吾さん

カムスタ!キーマンのワケは、スタートアップの成長を支えるキーマンをご紹介いたします。創業者に注目が集まりがちなスタートアップもチーム戦です。その成長のウラにはかならず「鍵」を握るキーマンが存在しています。そんなスタートアップの縁の下の力持ちをピックアップしていきます。

今回登場するのは、セールスフォースに10年以上在籍し、その大半を活用支援やコミュニティーマネージャーなどカスタマーサクセス部門で活躍したのちにスタートアップの世界へ飛び込み、現在はAsobicaでカスタマーサクセスを担当する古澤さんです。

Asobicaは、ロイヤル顧客プラットフォーム「coorum(コーラム)」を提供しています。「ロイヤル顧客」とは、製品やサービスに高い愛着をもち、リピートで購入・課金することで売上に大きく寄与するほか、自らその製品について発信することでさらなる顧客増に貢献する人々を指します。そんなロイヤル顧客の育成や分析といった機能をワンストップで提供し、企業による顧客起点マーケティングを支援するのが、coorumです。

花王、サッポロビール、SUBARU、すかいらーくホールディングス、カインズなど、さまざまな業界の名だたる企業で導入され、いまも導入企業を着実に増やし、事業の成長を加速させているcoorum。古澤さんは、このサービスのどのような点に魅力を感じ、Asobicaへの転職を決めたのでしょうか。

coorum独自のコミュニティ運営の秘訣

古澤さんは、Asobicaのカスタマーサクセスチームに所属。主にcoorumを利用するクライアント企業のコミュニティ立ち上げ、coorum活用の支援を担当しています。このプラットフォームの特徴は、単なるデータ収集のツールではなく、顧客との直接的なコミュニケーションを可能にする点です。古澤さんは、次のように説明します。

「多くのクライアントは既に購買データをもっているものの、それだけでは顧客の心情や行動の変化を十分に理解できません。coorumを使用することで、企業は「なぜ顧客が製品を購入したのか」「何がきっかけで行動を起こしたのか」といった深い洞察を得ることができるのです」(古澤さん)。

プラットフォーム上でのコミュニティの運営にあたって、企業側とユーザー側の双方にいくつかの課題が存在します。企業側の課題としては、コミュニティマネージャーの必要性が挙げられます。例えばFacebookグループなどのSNSでコミュニティを運営する際、専門のマネージャーがいないと活性化が難しいという問題がありました。

coorumでは、独自のアプローチでこの課題に対応しています。具体的には、単にプラットフォームを提供するだけでなく、コミュニティを盛り上げるための「仕掛け」を用意。製品やサービスに対して熱意をもつ初期ユーザーを集め、彼らを「種火」として活用することで、コミュニティを徐々に大きくしていくのです。古澤さんは、あるクライアントの初期メンバー向けに開催された、ユーザー会に参加した際のエピソードを披露してくれました。

「クライアントはそれまで、アンケートやSNSを通じて顧客の声を目にしていたものの、実際に顧客の方々と対面するのは初めてで、最初は緊張した面持ちでした。しかし会が進むなかでどんどん盛り上がり、最終的には「自社の製品やサービスがいかに愛されているかを実感した」とお話ししていました。クライアント自身が自分たちの価値を再確認できている姿を目の当たりにし、コミュニティの熱量が高く保たれていると感じましたね」(古澤さん)。

コミュニティ運営の課題は常に変化していきますが、顧客の声に耳を傾けて製品開発にフィードバックを活かし、継続的な改善を図りながら、coorumは企業と顧客の双方に価値を提供し続けています。

Asobicaの成長を支える、意思決定の速さ

Asobicaは、急成長を遂げているスタートアップ企業です。古澤さんは2024年5月に入社したばかりですが、わずか3カ月の間にも会社の急速な発展を肌で感じているといいます。

特徴の一つは、意思決定のスピードの速さ。Asobicaでは、「これどうしたらいいかな」という相談が、すぐに「やってみよう」とアクションにつながることがあるそうです。

この迅速な意思決定プロセスは、クライアントへの対応にも反映されています。例えば、クライアントから新たな課題が提示された際、社内で素早く検討し、プロダクト開発チームと連携しながら解決策を模索します。そして「検討中ですが、こういう方向性で考えています。この進め方でいきませんか」といった提案を、迅速にクライアントに提示することができるのです。

スピードはプロダクト開発の面でも顕著で、例えばcoorumの新機能は週単位でリリースされています。この急速な開発サイクルは、顧客のニーズに迅速に対応するAsobicaの姿勢を表しているといえるでしょう。

Asobicaの現在の従業員数は約140人で、古澤さんが所属するカスタマーサクセスマネージャーのチームは全部で3チーム、合計で20人弱のメンバーがいます。古澤さん自身のチームは5人ほどです。彼が以前働いていた大企業と比べるとコンパクトな規模ですが、それゆえにコミュニケーションがより密に取れ、「会社を一緒につくり上げている」という感覚があるといいます。一方で迅速さ、スピードは、時として課題も生み出します。

「例えば、異なる部署で決定されたことについても、常に「お客様から見たときにどうか」という視点をもち、最適な解決策を見出すよう心がけています」(古澤さん)。

転身を決意した、ビジョンへの強い共感

古澤さんは新卒でホテル業界に進み、その後、クラウドサービスの外資系大手企業であるセールスフォースに転職した異色の経歴の持ち主です。

「ホテル業界では一対一のサービス提供が中心でしたが、もっと広く多くの人に喜びを提供する方法はないかと考えるようになりました。そんなときに「クラウド」という言葉を耳にし、業務アプリケーションを通じて多くの人々に価値を提供できる可能性に魅力を感じたんです」(古澤さん)。

セールスフォースでは、最初にインサイドセールスを務めたあと、カスタマーサクセスのチームに移り、金融業界や保険業界の顧客企業を約3年間にわたって担当しました。その後、カスタマーマーケティングのチームへ社内異動。ここでは、セールスフォースの新しいUIへの大規模な移行プロジェクトに携わり、日本での展開を担当しました。さらに、コミュニティマネージャーとしての役割も担い、最終的にはユーザーのみが参加可能なコミュニティを担当するチームのマネージャーとしても活躍しました。

セールスフォースに10年以上在籍し、豊富な経験を積んだのち、次のキャリアとしてCDP(カスタマーデータプラットフォーム)開発・提供のトレジャーデータに移りました。この転職の理由として、古澤さんは「ゼロから何かを作り上げる」挑戦をしたいという思いがあったと語っています。

古澤さんがAsobicaへ転職を決意した背景には、こうしたこれまでのキャリアでの経験が絡み合っています。自身のキャリアを振り返ったときに、最もわくわくしたのがセールスフォース時代のコミュニティマネジメントだったことから、「1. コミュニティマーケティングに関わる仕事であること」、「2. 顧客中心の経営を実践している会社であること」、「3. 製品自体が顧客理解を深めるものであること」という3つの要素を、次のキャリアステップを選ぶ際に重視したそうです。

Asobicaは、これらの要素にすべて合致。特に「顧客中心の経営をスタンダードにする」というビジョンに、古澤さんは強く共感したといいます。

「人事の方にお願いして、いろいろな社員と何度も面談を重ねたほか、代表の今田(代表取締役CEOの今田孝哉氏)とも直接話す機会をもらいました。こうした対話を通じて、次のキャリアステップで重視した3つのポイントに加え、Asobicaの文化や価値観が自分に合っていると確信し、「ここに入りたい」と思いました」(古澤さん)。

スタートアップであるかどうかよりも、会社が目指しているものに強く惹かれた結果、入社を決断したという古澤さん。彼は、この新しい環境で自身の経験を活かしながら、顧客中心の経営の実現に向けて日々奮闘しています。


Asobicaの採用情報はこちら


カムスタ!運営元 CyberAgent Capitalからスタートアップの最新情報が届くLINE公式アカウントはこちら


最後まで読んでいただき、ありがとうございます! これからもスタートアップのリアルをお伝えしていきます。