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Z世代が集まるACROVE「心理的安全性」のワケーーカムスタ!チームワークのお話

カムスタ!「チームワークのお話」は成長しているスタートアップのチームについて、その成り立ちや工夫、日常の何気ない風景をお伝えするインタビューシリーズです。今回はECの総合支援を手がけるACROVEにご登場いただきます。

ACROVEは独自開発のBIツール「ACROVE FORCE」を利用し、顧客のEC事業をデータドリブンな意思決定により支援するスタートアップです。集客からECモール運営、物流までワンストップでサポートし、蓄積されたビッグデータを活用したEC事業戦略の策定なども実施します。

Z世代中心の若いチームでありながら、急成長中のACROVEになぜ人々が集まるのか。チームのお話をぜひお聞きください。(太字の質問は全て編集部。回答者のお名前には敬称を略させていただいています)

少しでも興味をもった方はACROVEの採用情報もぜひチェックしてみてください。


Z世代が集まるスタートアップ

写真左から:広報部 藤角清香さん、ACROVE代表 荒井 俊亮さん・共同創業者 エバンジェリスト 櫻木由紀さん

ACROVEの社員は若手が多い印象ですがどういう方が集まっているんですか?

荒井:特徴的なのは平均年齢が27歳ぐらいで、20代が8割を占めている点です。20代中盤までのメンバーで組織を作っているスタートアップはあまりないと思いますので、そこはACROVEの特徴で強みのひとつです。

入社してくれる方は、ACROVEのミッション、ビジョン、バリューに共感してくれるというのも一つの要素ですが、もう少し背景的なことを言うと、ここ数年はコロナも影響してリモートワークが増え、フィードバックをもらえない状況で仕事にやりがいを感じにくいことが社会問題になっていたと思うんです。

そんな状況の中、よりチャレンジしたい意欲的な方がACROVEのように若手が活躍しているスタートアップにスキルアップのチャンスや、より裁量権の大きい仕事を任せてもらえる環境を求めてやってきてくれているように思います。

若い世代のスタートアップも増えていますが、多様性がありすぎてまとまりを作るのが難しくないですか?

荒井:そんなことはないですよ。ACROVEの掲げるミッションに共感して入社される方が多いので、目指す方向性において共通認識を持っていると思います。先ほど少し省いたミッションについて話すと、僕たちは「社会の果樹園」を作ることが一つのテーマで、ITコングロマリットのような形で事業を果実と捉え、社会的価値を提供できる状態になることを目指しているんです。

ITコングロマリットの例としてサイバーエージェントさんやリクルートさん、ソフトバンクさんなど、これまでの20年から30年に活躍した実業家が作った企業がありますが、ここ最近の5年や10年ではそういった会社はなかなかないですよね。

僕たちの世代は25歳くらいで、あと60年生きるとすると、2080年じゃないですか。人口が減少する中で日本の社会をどのようにエンカレッジし、経済を活性化していくのかという問題に対して、それぞれ一定の共感や使命感があるんです。

そのため、ミッションに共感するという意味で、事業やブランドとしてやりたいことはそれぞれ違いますが、社会的価値を僕たちの世代からどう提供していくかという点では皆が共通して持っていて、それが一定のまとまりにつながっているのではないかなと思っています。

なるほど、共通の危機感は興味深いテーマですね

荒井:面白い時代だと思います。私たちは自分たちが社会に対してできることは何だろうと考える世代だと思います。その理由としては、少し昔だったら『お金がすべて』という感じで突き進めたかもしれませんが、今はお金でできることの相対的な価値が下がっているんですよ。

例えば、1,000円で映画を見放題できる時代ですし、かつて100万円だった海外旅行が5万円で手に入るようになりました。贅沢なものが少ない時代だと思います。そんな中で、生きる意味や社会に提供できるものは何だろうと考えるのが私たちの世代なんです。

第二新卒が多いワケ

入ってくる方々はどういう経緯の方が多いんですか?

荒井:一番多いのは第二新卒なんですよ。特にモチベーションの高い若手です。そういう方は、30年後の会社の方向性やビジョンと、自身のキャリアやモチベーションにずれを感じてしまうと、もっとチャレンジできる環境へ転職するんだと思います。一度入社したけれども自身の思いや期待とは違ったということで、ありがたいことにACROVEへ期待感を持って入社を希望してくれる方が多いですね。

2020年卒、2021年卒などはまさにコロナ禍の最中です。

1度も人に会ったことがない人も結構いるんですよ。そうなると働く意味が変わります。先にも話した通り、お金のためだけではないんです。実家に住んでいてお金を使わない、趣味はNetflixだからお金がいらないという時代です。

そういう中で人とも会えないという状況になると、働く理由について考える時間が増えると思います。働く意義は一時的にお金が重要だけど、さらにその上にある社会的な価値や人間関係が仕事の意義の一つなのだと気づく人が多かったんじゃないでしょうか。ACROVEのミッションに共感して入社される方が多い気がします。

なるほど。一方でこの世代の価値観を受け止めてくれる若いスタートアップは他にありますよね

荒井:若手で組織を作っている会社は意外と少ないんですよ。周囲のスタートアップでも平均年齢は3、40代で、上層部はほとんど40代といった具合です。一概に年齢の問題ではないと思いますが、経験豊富な先輩が多いため裁量権を求めて入社したものの、実際は現場仕事が主な職務となると期待値がズレてしまうと思います。

意欲的な若手を積極的に重要なポストに登用することがしやすいのはスタートアップ企業だと思います。次代を担う人材輩出を経営原則に掲げるACROVEでは人材育成を大事にしていますので、若手が活躍しやすい環境だと思います。

心理的安全性を担保する方法

組織運営で大切にしていることってなんですか

荒井:僕が組織の運営で意識しているのは、3つです。一つ目は、最近の言葉で言うと『心理的安全性』の確保です。要は、言いたいことを言っても大丈夫だという環境を醸成することです。年齢がみんな近いので、それは形成されやすいですが、それでもみんなが緊張したり、言っていいかどうか迷ったりすることはあると思います。

意見が言えない状況が続くと、社員の精神的なストレスの要因にもなりますし、会社にとっては新しいアイデアが産み出されづらい環境、つまり成長機会の損失にも繋がります。なので、本音を言うことの重要性を、例えば朝会で僕が繰り返し言うことによって、または飲み会やイベントといったオフの場でも伝えることで、ちゃんと本音を言い合える風土を作り、心理的安全性を確保するように努めています。

組織の心理的安全性はよく聞くようになりましたよね

荒井:はい。二つ目は組織と個人目標の調和と合意です。例えばですが、心理的安全性が担保された環境において、営業活動における電話営業が苦手な人が「電話が嫌だ」と言ったとします。そこで、強制的に架電業務を課したり業務遂行のために説得するのではなく、もっとモチベーションや得意なスキルを生かせる他の業務やポジションにアサインします。

より活躍できる場所を提供することで個人のモチベーションが向上し、結果組織のパフォーマンス向上にも繋がります。また、組織への貢献度が高い業務にあたっていることは、個人のモチベーションにもつながるので、組織と個人の共通の目標を持つことは良い循環を生むために重要なんです。組織と個人の共通の目標をうまく調和させ、おたがいに合意をすることが二つ目のポイントです。

そして、三つ目のポイントは、仕事の楽しさについてです。楽しさは論理的に分析できる要素がいくつかあります。例えば仕事の意義の共感や、業務の一貫性があるために没頭できることとか、最後までクロージングや運用ができる裁量権の大きさとか。一緒に働く人の多様性についてもありますよね。

先ほどの例だと、電話以外の他の仕事に取り組んだ際、自分で目標を設定してパフォーマンス向上のために施策を決める裁量権のある環境は楽しい要素のひとつですよね。最終的にはこういった「楽しい」と思える要素を見いだせるような環境をつくれるように工夫しています。心理的安全性、個人と組織の目標の調和と合意、そして仕事の楽しさ。この3つのステップを踏むことが若手がより高いモチベーションを長期的に維持したまま働ける状態だと思います。

そして、この3つを内包しているのがACROVEのカルチャーであり、組織の共通認識です。

こういった組織の取り組みを具体的にみなさん何かの施策として出されたりしますよね。福利厚生など。どういうアイデアに取り組んでいますか

櫻木:心理的安全性を確保する工夫は、経営側からもたくさん提案しています。飲み会やそのようなイベントを作って、皆さんが繋がりを深めていくといったことです。

最近、福利厚生で「ヨロラン!」という名前の取り組みをはじめたんです。ありがたいことに毎月10名近くが入社しているので、社内コミュニケーション活性の一環として、入社3カ月以内の新入社員を対象に、社内の異なる部署の人と一緒にランチに行く機会を提供するというものなんですが、多くの社員が利用してくれています。

この取り組みは、事業部、上下関係なくコミュニケーションをとる機会を増やす目的でランチ代は会社から手当が出るんです。以前は飲み会が主なコミュニケーション手段だったんですけど、今では「ヨロラン!」が浸透していて、毎日社員同士がラフな交流を出来る会として利用しています。

でもちょっとこういうのが苦手な人もいらっしゃいますよね?

櫻木:カレンダーに入れちゃってます(笑。ACROVEは毎月10名程度が入社するため、特に他部署の方など、同じお部屋にいても喋ったことがない方もいました。ヨロラン!が開始されたことにより積極的にランチでコミュニケーションを図ることが出来るので、部署横断で交流が活発になっています。

また一例ですが、プライベートで楽団に所属している社員の演奏会があることを知り、実際に数人の社員が見に行った例もあります。部署横断でコミュニケーションの円滑を図るのは、業務上の理由もありますが、それ以上に、社員の人柄を知ることのできる、純粋に楽しいコミュニケーション機会の創出になっているんじゃないでしょうか。

なるほど(笑。入社までの面接はどれくらいの回数が多いんですか

荒井:面接3〜4回で、というケースが多いですね。

新しい世代のキャリアパス

少し質問を変えてキャリアパスについて。日本の企業って終身雇用という考え方がかつてあって、キャリア形成にとってはある意味わかりやすい部分がありました。これからの若い世代の方にとってキャリア形成をどう考えて、ACROVEではどのように伝えています?

荒井:昭和っぽいかもしれませんが、人情や信頼を大切にして仕事をすることが大切だと社員たちに伝えています。その結果として、スキルが積み重なりキャリア形成につながるよ、と。
というのも、私がよく言っていることは、「スキルに対するレバレッジが重要な時代ではなく、コミュニティと信頼に対するレバレッジが上がる時代だ」ということです。

例えばですが、以前はロシア語を話す人を探す際、インターネットがなければ近くで見つけることが難しく、もし見つけられらとして、その人とのコミュニケーションの相性が悪くても、スキルを持っていることに価値が置かれるため仲良くしなければならなかったわけですよね?

しかし、今ではロシア語を話す人をTwitterやYouTubeで簡単に見つけることができ、誰でも応募できる状態のため、スキルを持った人の希少価値が薄れています。そのため、スキルを持っている上で信頼できる人物かどうかという人柄や、同じコミュニティにいるかどうかといった要素にレバレッジがかかる時代になったんです。

ACROVEは経営原則の一つとして、次代を担う優秀な人材を輩出するために「人材育成」を掲げております。人情や信頼を大切にした社員は多くの人から頼りにされるため、多くの実経験を踏むことができ、結果大きな仕事を任されることに繋がります。今後、ITコングロマリット企業としてACROVEが事業を拡大する際には、人情と信頼に熱い社員に一事業を率いてもらいたいと思っています。

ここまでお話を伺うととても健康的な組織経営をしているように思いますが、課題もあると思います。どのような点で苦労していますか

荒井:ACROVEのように若手が自主的に活躍しているチームの場合、10人以下の規模だと心理的安全性はあまり問題にならず、ただのグループとしてみんな仲良くやっていけちゃうんですよね。しかし、チームが30人、50人、100人と大きくなってくると、抽象的ではありますが、会社の部分部分で徐々に凝り固まり始める。

これをいかに一体感を持たせつつ、成長機会を逸失させないように運営していくかが、約80名の体制になったフェーズで重要だと考えています。特に、新しいメンバーが入ってきたとき、どうやって受け入れるかということは、常に危機感を持って取り組まないとすぐに問題が起こるため、注意してやっていますね。

ACROVEではエバンジェリストという役割を置いています。お客様が弊社のサービスをより活用できるように案内する橋渡し役であると同時に、経営サイドと社員の橋渡し役も担っています。エバンジェリスト主導の非公式の部活動や、オフの場があったりなど、積極的に社内コミュニケーション活発のために動いており、部署間や上下でカルチャーが分断しないように、ACROVEが一体感をもって成長できるように橋渡し役を担っています。

ありがとうございました


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最後まで読んでいただき、ありがとうございます! これからもスタートアップのリアルをお伝えしていきます。