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普通の大学生だった私が大手からスタートアップに転職してチャンスを手にするまで/カムスタ!キーマンのワケ:ヒュープロ・鴉田絵美理さん

カムスタ!キーマンのワケは、スタートアップの成長を支えるキーマンをご紹介いたします。創業者に注目が集まりがちなスタートアップもチーム戦です。その成長のウラにはかならず「鍵」を握るキーマンが存在しています。そんなスタートアップの縁の下の力持ちをピックアップいたします。

これまでの2回からガラリと変わり、新卒大手からスタートアップへ転職してきたヒュープロの鴉田絵美理さんにご登場いただきます。

税理士や会計士など「士業」の転職サポートで急成長しているのが2015年創業のヒュープロです。独自のアルゴリズムを使った自動マッチング機能などがあり、個人事務所から業界大手・プライム上場企業まで幅広く公開求人情報を提供されています。

そんなヒュープロに入社して2年目、未経験ながら社内のマーケティング予算の大部分を任されているのが鴉田さん。現在は代表の山本玲奈さんと二人三脚でヒュープロの認知度向上に貢献しているそうです。

スタートアップへの興味はあるものの踏ん切りがつかず、内定をもらった大手旅行代理店へ入社。コロナ禍真っ只中という不幸も重なって、思い描いていたものとは「違った」社会人生活をスタートさせた鴉田さん。1998年生まれのデジタルネイティブ「Z世代」の彼女はどのような経緯でスタートアップへとやってくることになったのでしょうか。

大手とスタートアップ、どちらを選ぶ?

鴉田さんは一度大手に就職してからスタートアップへ転職したわけですが、そもそも大学生時代はどのような経緯で最初の企業に入ったのですか?

鴉田:就活自体は当時、留学していたので海外のキャリアフォーラムに行って、そこで内定をいただいた会社に就職したという経緯なんです。コロナ禍が始まる直前の2019年の11月のことです。


周囲の方も同じように就職活動されていた感じでしたか

鴉田:そうですね、就活は普通にして、私の周りは割と大手に行く方が結構多かったと思います。ただ、その中でも仲のいい友達や、高校時代から仲良くしてきた友達は自分のやりたいことや意志を貫いて、女優を目指したりだとか、大学院に進んだりとか、それこそ資格を取るために勉強したりとか、いろいろな人がいました。将来の夢から逆算をして、一般的な企業に就職をしないっていう子もいたので、ちょっと違った部分はあったかもしれないなとは思います。


ちなみに海外留学されていたのはご家族の関係ですか?

鴉田:私の叔母がスペイン人の方と結婚してずっと向こうに住んでたので、ずっとスペインが中学生のときから大好きだったんです。それでちょくちょく短期留学などを高校生の時からしてたんです。


まあ、ただ最近では海外留学もそこまで珍しいものではなくなりましたからね。ちなみに世の中ではかつて大手企業に就職して昇進して・・というステレオタイプなキャリアパス像があったと思うのですが、そういうものに影響って受けられましたか?

鴉田:結構受けました(笑。受けた結果、大手に行ったんです。兄も同じ大学だったんですけど、本当に定番の大手に行くっていう進路だったので、結構それに影響されましたね。あと多分、入っているコミュニティにもよると思うんですけど、例えば学生団体に所属されてる方は起業するとかスタートアップに行くっていう方が多かったです。私は体育会コミュニティの中にいたので、やっぱり大手に行くよね?みたいな流れはありました。
私も就職せずに、何か新しいことにチャレンジしたり、スタートアップにも興味があったし、スペインもとても好きだったので、スペインで働いてみようかなとも考えたんですけど、結局、考えた結果、大手に就職することになりました。


やっぱり大手がいいなと思った理由って何だったんですか

鴉田:当時はまだ勇気がなかったっていうのが大きかったです。自分の将来やりたいことや夢のために一度スタートアップで働くことにチャレンジしてみたいという気持ちはあったんです。確かに夢に向かう最短距離が多分、スタートアップとかに行くことなんだろうなってのは何となくわかってたんですけど、必ずしも近道を通る必要はないかなとも思って。結構早い段階で大手の内定をいただいたというのもあるので、一度入って置かれた状況で頑張ってみようと。転職するという選択肢がある時代なので、入った後にスタートアップに転職すればいいのかなとその時点では考えて、進みました。


誰か相談した方は?

鴉田:兄のことを尊敬していて、兄にたくさん相談してたので『俺が結構安定的な、王道の道を歩んでるんだから、えみりは俺を安心材料として自由に生きればいいよ』って言われて。それでせっかく内定をいただいたので、一度は大手に入って、その後に挑戦してみようかなって思いました。

転機になった仕事

ヒュープロにその後、転職されることになるわけですが、先に、鴉田さんのお仕事について聞かせてください。元々、マーケティング未経験で転職してきていろいろ転機になったお仕事などがあると思うんですが、思い出に残っているものについて教えてもらってもいいですか?

鴉田:そうですね、入ってしばらく経ってからなんですけど、昨年の、6月に開催したファイナンスキャリアフォーラムというイベントを担当させていただいたんです。ヒュープロとして初めての、新卒および第2新卒向けのキャリアフォーラムだったのですが、そのプロジェクトマネージャーをやらせていただいて、それがすごく印象に残っています。イベント全体のコンセプト作りから企画設計、そして実行に落とし込む・・・っていうのをやったんですね。


これまでのお仕事として経験されたことはあった?

鴉田:なかったんですよ!ただ仕事ではなく、部活などの小さい規模ではイベントの企画やプロジェクトの進行などはやったことはあって、元々そういうのがとても好きだったんです。もちろん、ヒュープロではやったことがなかったので、やること自体は好き、でも仕事として自分が適性あるのか、うまく遂行できるかっていうのは正直、不安でわからなかったんです。そこを多分私よりも早く代表の山本が見いだしてくれて。そこで自分の強みに気づくことができたっていうのがあって、それが自分の中で一番大きな転機だったかなと思います。


全て手探り?

鴉田:外部のベンダーさんに入っていただいて、いろいろ助けていただきながらだったんですけど、自分だけじゃなくて会社的にもやったことないことだったので、もう本当に全てがゼロベースで。ただ、うまく形にまとめることができれば任せてもらえるので、すごく楽しんでやってました。やっぱり、参加企業や参加学生に満足いただくことはもちろんですが、今後もイベントを継続させていく土台を作りたかったので、ヒュープロ独自の強みやカラーを出したイベントにするべく、アイディア出しつつ、形にしていきました。


こだわったところは?

鴉田:実は(ヒュープロがビジネスにしている対象の)税理士事務所さんなどは、若い学生が集まる就活イベントに積極的に出展することがあまりない業界なんです。また、逆に学生さんもそういう事務所に直接触れ合う機会ってなかなかないので、その機会をうまく作りたいなっていうのはすごくありました。

税理士事務所だけど『古い業界』のように思われない、楽しいセミナーを作ったりとか、そういうことを心がけていました。それとヒュープロの若いメンバーが作ったイベントなので、新鮮さというかパッションあふれるものにしたいという思いもありました。会場もヒュープロカラーにしたり、雰囲気もすごく良かったんじゃないかなと自分では思っています。

スタートアップに向かない人たち

なるほど、未経験であってもパッションと「とにかくなんとか形にする」って大切ですよね。そうやって今は大きなマーケティング予算を預かるようになったわけですが、改めて転職の時に話を戻させてください。未経験で大手からスタートアップに転職するのって、なかなか想像がつかないと思うんですが、何が決め手で転職することにしたんですか?

鴉田:そうですね。私が直感型の人間というか、一度フィーリングで魅了されると悩むことなく、一途に決めきるんです。。ヒュープロの選考の初めての面談が代表の山本とだったんですけど、直感で『いいな』って思いました。だからあまり悩んで・・・という過程はないんです。確かに他のスタートアップや大手のテック企業も受けたりはしました。ただ、ヒュープロに出会ってからはカラーに惹かれたというか、ずっと一筋でした。


一目惚れ大事ですよね

鴉田:もちろんそれもありますし、前職はちょうどコロナ禍の自粛時期と重なってしまって、業種自体も旅行でしたから、どうしても仕事が円滑に進まないことが多かったんです。そんな時に、ヒュープロのオフィスを見学させてもらい、なんかもう180度違う世界が広がっていて。なんかめちゃくちゃみんな元気で、知らない私が入ってっても、元気に声をかけてくたんですね。仕事もコミュニケーションを取りながらやっているのが見えて、そんな雰囲気に惹かれたってのが一番ですね。


他の会社さんとの雰囲気は違ったんですか

鴉田氏:実は他の会社さん、選考が全部オンラインだったり、会社自体が全部リモートとかそういう感じだったんで、行かずにオンラインで面接することが多くて。会社の雰囲気までは見れなかったのもそうですし、スタートアップ特有の「チーム感」が感じられなかったっていうのは、とても大きいですね。


なるほど・・・リモートって結構、メリットに掲げているところも多いんですが、確かに全体の雰囲気を知る上ではマイナスですよね。ちなみにスタートアップへの転職でよく言われる「カルチャー・スキルフィット」の話で言えば、鴉田さんはカルチャーフィットしていて、スキル面で不安があったと思うんです。実際その辺りはどうでしたか。

鴉田:元々未経験でかつ、マーケティングを担当する社員の2人目だったので、教育環境とか大丈夫かなという思いはありました。実際、入ってみっちり教えてくれるというよりは、ある程度放任で自分で勉強しながらやってこうねみたいな感じでした。とはいえ、未経験でわからないことは当たり前なので、疑問点をぶつければ一緒に解決策を探してくれる先輩方ばかりですし、自分がわからない中で提案すればやらせてくれるのでそのあたりが意外と言えば意外でしたね。前職とは大きく違う点でした。

こういった不安って転職組の方は必ず持っているものなんですが、実際はいろいろ任せてもらえたわけじゃないですか。その転機みたいなタイミングってどこで感じました?

鴉田:例えば入社当時、ヒュープロでは転職者さんをサポートするのにLINEを使うことはあまりやっていなかったんです。でもやっぱり、ユーザー体験的にはLINEなどでポンポン質問できた方が楽だなという面もあるじゃないですか。けど『LINEを活用してみませんか』と思っててもずっと言えなかったんです。

ただ、あるきっかけでそれを言ってみたら『やろうよ』となって。この『言っていいんだ」』みたいな雰囲気が芽生えてきて、そこからですね。それまでも結構、自由にやってきたつもりだったんですが当時のマネージャーに『いや鴉田さんもっと自由にやった方がいい』という話をされて、もっとやっていいんだっていうのを知ってとても驚いた覚えがあります。


心理的安全性ですね

鴉田:そうですね、多分、小さい頃から部活や習い事をやっていたので、大人の方と接することが多く、その影響もあるかもしれないです。言われたことをしっかり聞いて、絶対に直して次に向かうことを意識してましたから。


鴉田さんは無事に大手からスタートアップに転職し、わからないなりに機会を得て、今では活躍されているわけですが、大学生の時に考えていたキャリアパスと、大手から転職してきて今、見えているキャリアパスとの間に違いみたいなものはありますか?

鴉田:大手にいた時は、あまり変化が感じられないという思いがあったんです。逆にスタートアップに来てからは本当に1カ月とか1週間単位で仕事が変わったりするので、先が読めない。それが私にとっては楽しくて仕方がないんですよね。毎日目まぐるしく状況が変わるので、それを嫌だと思ったり、変化を楽しめない方は正直キツいかもしれません。私はそれを楽しいと思ってやっちゃうんですけど、それが無理な人には難しいかもしれないですね。


最後に、スタートアップに転職する時、これだけは心に決めておこうと思ったことって何かありますか?

鴉田:遅刻しない、約束を破らない、誠意を持って接する、というのは意識するようにしています。やはり自由な環境にいるとどうしてもどこかでゆるくなる部分が出てくるので、それが自分的にはすごく嫌で。硬いなって言われたりするんですけど、そんな硬い人が一人ぐらいいてもいいんじゃないかなって思ってます(笑。


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